東京オリンピックロスで少し感傷的な休日。若かりし時の自分とある起業家との長い道のりを振り返ってみる。 インキュベイトファンドを創業する前に、コアピープルというマイクロVCファンドを作り、サラリーマンを辞めて独立した。もう14年前。 そこで投資していた会社、ブリリアンス+という、ダイヤモンドジュエリーのEコマースの運営をやっている会社の話。ここも、gumi、ポケラボ、みんなのウェディング社同様、独立開業して間もなかった、私の投資家としてのキャリアを作ってくれた1社である。 投資したのはリーマンショックが起きた2008年。CEOの新井さんは当時42、3歳で、ダイヤモンドジュエリーの事業のプロではあったが初めてネットベンチャーを作る、というおじさん起業家だった。 結婚指輪を中心としたダイヤモンドジュエリーのEC、工場や卸からダイヤモンドジュエリーを仕入れて直接販売するEコマース事業へ投資した。 今で言えばD2Cスタートアップであろうが、当時はリーマンショックがあった年。Eコマースの市場自体は確立していたが、既にAmazonや楽天といったプレイヤに収斂され、マージンが低く、参入も難しい、ということで、非常に厳しい業界という認識だった。

起業家とEコマースとその長い道のり
起業家とEコマースとその長い道のり

オリンピック開催まで30日を切りました。ようやく開催が決まったようであり、無観客でなく、どこまで観客を入れるのか、というに入ってきた。この2〜3週間で急速に開催に向けて動き出した感じがしている。だけど、この間までは、オリンピックをやるのかやらないのか、一般社会感覚では、わからない感じに見えた。結局、何が理由かわからないが、急速に開催に動いたことや、結果、誰がどのようなプロセスで意思決定したのかわからない、ということが不思議な感じがする。なぜ開催するかしないか、という大方針が前もって決まらないのか。このような形で大方針がギリギリに決まると、選手ももちろんのこと、準備する方も大変すぎるのではないだろうか。 本当に大きな意思決定が、自分たちの考え方や方針で決まるのではなく、今回はIOCなのか、スポンサーなのか、選挙なのか、世論なのか、主体がわかりにくく、空気的なものか、自分主体ではなく相手のリアクション次第で事象の方向が決まってしまう流れ。最後のピースがどの方向にハマるのか、皆ギリギリまで分からず、相手の出方によって、そのピースのはまる角度で方向が決まってしまうことが起きているような気がする。

先日、インキュベイトファンドで、Incubate Academyという、大学生向けに、5日間でベンチャーキャピタルという職業を学んでもらうセッションを行った。 その際に、改めて、シリコンバレーのベンチャーキャピタル業界の歴史を改めて調べていたところ、シリコンバレーの歴史について、非常にわかりやすく、当事者も多数登場する、良いドキュメンタリーを見つけたの紹介したいと思います。 今はNetflixをはじめ、良質なドキュメンタリー映画がどんどん産まれる時代。WVTCHというチャンネルの、”Silicon Valley documentary”エピソード1と3。起業家やベンチャーキャピタリスト、それを目指す人はぜひ見てほしい。当事者がリアルで出てくるので臨場感があります。 Silicon Valley documentary EP1 *軍事・冷戦時代とStanford大学の工学・宇宙工学の発展 10分あたり。のちにシリコンバレーの父と言われるStanford大学のFred Terman教授。当時、MITやCaltechに比べるとStanford大学は政府からの資金補助も少なく、研究面で著しく遅れていた。Terman教授は、軍事関連の研究を受けながら、Standford大学の工学・宇宙工学を強化した。Terman教授は、大学での研究を大学の内部で閉じず、世の中の為にドンドン使いなさい、という方針を打ち出し、多くのベンチャー企業が産まれた。1938年に彼の教え子(Bill HewlettとDavid Packard)が作った会社の一つが、Hewlett Packard社である。当時のアメリカの世の中のため、というのは、第二次世界大戦に勝つ、ソビエトとの冷戦に勝つ、ということだった。

Masahiko Homma

Founder and General Partner of Incubate Fund インキュベイトファンド 代表パートナー www.incubatefund.com 過去ブログは→ https://corepeople.typepad.jp/