インキュベイトファンド、設立11年目にして初めてのグロースファンドを設立しました。

Masahiko Homma
Sep 23, 2021

ここ数年、インキュベイトファンドは、北米やアジアの機関投資家との関係構築を続けてきました。それが一つの形になってきたことが嬉しいです。

今回投資をしてくれた、アジアのファンドオブファンズ、北米の大学基金含め、殆どの海外機関投資家は、今回が日本のベンチャーキャピタルに投資するのが初めて。

彼らはファンドへの投資だけでなく、日本のスタートアップへの直接投資にも非常に興味を持ってくれています。国内からの投資家は、ほぼ全て既存投資家からのリピートとなりました。

メディアの方々にも説明しましたが、ここ数年海外の機関投資家と対話をしてきてわかってきたことが、いくつかあります。

一つは、マクロデータ、パフォーマンスデータ等のデータ開示や説明の不足

海外の機関投資家と話をすると、そもそも日本のVCやスタートアップについて知らない人が殆ど。これはアジアでも北米でも同じです。日本のベンチャーキャピタルで海外の機関投資家にきちんとアプローチをしてきたところは少ない。

それも当然の話で、今まで日本のVCは日本の機関投資家はもちろん、海外の投資家とコミュニケーションする場はなかったし、お互いその必要はなかったのが実情だったと思います。

しかしながら、この数年グローバルで未上場のテックセクターへの期待値やリターンが高まったことで、日本のベンチャーキャピタルやスタートアップに対して可能性を感じる投資家も出てきています。マクロデータ、パフォーマンスデータ、投資仮説を丁寧に説明することで、理解を得られるケースが出てきました。

二つ目は、アジアのテック投資の中で、中国への投資一辺倒からの見直し。その中での、日本のテクノロジーセクターの再発見。

この数年の米中の対立等の地政学的な要因に加えて、中国へのテック投資への全体的な見直しが始まっていること。そして、この数ヶ月での中国のIT企業に対する各種政策によるスローダウン。

成長するアジアのスタートアップやベンチャーキャピタルに投資したいと考えた場合、従来中国のテックセクター一辺倒で投資していた資金の一部が、その他のアジアにながれてきています。

このような流れの中で、日本のテックのスタートアップやベンチャーキャピタルへの投資の魅力、宇宙や医療・エンタメ等、多様なテクノロジーの可能性、B2B/SaaSの可能性、東証のIPOのコンスタントなリターン環境等、きちんとコミュニケーションてきた中での今のタイミング。

この2021年上半期のコロナ環境下、従来、約30–40倍開いていた北米と日本のVC投資額の差は更に拡大し、北米では2021年だけで既に130社近いユニコーンが生まれています。上半期だけで15兆円の資金が投じられています。

この活動は続けたい。世界の投資家に日本のテックセクターやスタートアップの魅力をもっと伝えていきながら、国内外の資金を日本のテック・スタートアップにどんどん流し込みたいです。

*Bridge

*日経

*Prtimes

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Masahiko Homma

Founder and General Partner of Incubate Fund インキュベイトファンド 代表パートナー www.incubatefund.com 過去ブログは→ https://corepeople.typepad.jp/